それでも疑り深い人は、「ハーバード大学の日本人留学生が、昔は20名もいたのに、今はたった1名」というデータを上げるのではないか。ワシントンポストがその出典だが、こちらは数字や論拠があいまいすぎる。
 
【1】まず、ハーバード大学への日本からの留学は、大学院が昔から圧倒的に多数であり、その人数は今でも100名を超えている。
【2】学部への入学は最盛期でも20名弱であり、現在3~4名と減少しているのは確かだが、1名という年はない。
【3】ハーバードは留学定員があり、そのため、韓国・中国・インドの留学生が激増した昨今は、日本人が割を食っている。
【4】 その玉突きか、昨今はイェール大学への日本人入学者が増え、今年は7名と過去最高となっている。

といった反証が挙げられている。このデータから言えば、「イェール大学への日本人留学生が過去最高!日本の若者は外向きだ」なんて記事だって書けてしまうのだ。

今朝BSでやってたWSJで「アメリカの若者のの車離れ」ってニュースやってたな 20年前は16歳での免許取得率は50%だったが、今は25% 車を買えない理由は日本と同じで「経済的」な理由 自動車産業は本当に末期なのかもしれん
新刊書店の最近の売り方を見ていると、さまざまな文庫を総花的に集めて何が来てもいいような形をとっている。その多くも最近出版された本である。高度経済成長の頃、出版点数が年間せいぜい2万点くらいだったのに比べて、年間7万点の新刊書が出る昨今、短期間で店に並べては撤去するという売り方が増えている。だから、売り場には概して歴史が感じられない。今、人気のもの、旬なもの、あるいはそう想定される本が棚のスペースのかなりの部分を占めている。しかし、何年も前に出版されて面白かった個性的な本がそこには滅多にない。
ちなみに、哲学者スラヴォイ・ジジェクはインターネットに不可欠のネットワーク規格であるイーサネットについて、おもしろい語源解説をしています。いわく、Ethenetの語源はEter(エーテル=光を媒介する元素=魂が最後に辿り着く汚れなき場所)だそうです。つまり、イーサネットを経由してインターネットに入った人は魂のみとなる、開発者達はそう願って名付けた、という詩的な指摘ですね。
— 『ケヴィン・ケリー著作集1』

メルレポ 2012年1月16日号(通巻第016号)

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本日の担当者 檀原照和

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■お尻の下 第3回

檀原照和(第6号で「牛に関する誤解を解いておくよ」執筆)

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人間になりたい。

「妖怪人間ベム」も「ピノキオ」もみんな人間になりたがった。しかし、人間良いことばかりではない。ときには人間を卒業したくなることもある。いっそ椅子にでもなってしまおうか。

椅子が人間になるのは、ちとむずかしい。しかし人間が椅子になることは可能だ。人間が食器棚になることはむずかしい。しかしあなただって椅子にならなれるのだ。そう、体育会名物「空気椅子」という方法で。

もし運動部にいたことがあるのなら、どんな効果があるのかさっぱり分からないものの、脚が震えて止まらなくなり、辛さだけは否が応でも骨身にしみる、あの不自然きわまりない姿勢をよく覚えているはずだ。

がんばれ。「椅子の上にも三年」だぞ。ぷるぷる……。

人間の可能性は無限である。小説「人間椅子」の主人公みたいに、大きな椅子の中に潜り込まなくてもいい。身一つで、あなたは椅子になれるのだ。……かなりつらいけど。

ところで椅子になるのは人間だけの専売特許ではない。じつは地位も名誉もかなぐり捨てて、めでたく椅子になってしまった神さまがいる。エジプトの女神イシスだ。

イシスには永遠の処女のままホルスを身ごもったとか、死者の守護神だとか、魔術の神だとかいろいろな神話があるので、描かれ方は一様ではない。しかし「イシス」という名前そのものが「腰掛け」という意味なので、女神イシスを表す象形文字は玉座の形をしている。そのため、彼女の像は頭に石椅子を乗せていることが多い。カイロのエジプト博物館には、自らの頭の上にツタンカーメン王を座らせているイシス像がある。我が身を投げ打って椅子になりきる女神と、女神の頭を椅子代わりにするファラオ。異常だ。これは「超自然的な存在である神の上に跨がり、世界に号令したい」という傲岸不遜なエジプト王族の征服欲の現れなのだろうか。

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日本には200万人が農業に従事している。このうち専業農家が14万人。
農業収入のほうが多い兼業農家が40万人である。
では残りの約160万人は何か。週末農業である。
平日は役所や会社に勤めていて、収入のほとんどが農業以外である。
彼らが問題なのである。

彼らは、会社や役所を定年で辞めると、形の上では専業農家になる。
定年が60歳だとすると、専業農家のスタートが60歳になる。
だから平均年齢が66歳という数字になってしまうのである。
しかも、週末だけ農家をやっているので後継者ができようがない。
一方、しっかりした専業農家は、平均年齢はせいぜい50代前半で、
後継者もちゃんといるのだ。

食料自給率についても数字のカラクリがある。
日本の39%とという食料自給率は、カロリーベースの数字である。
ところが、世界でカロリーベースで計算しているのは日本だけである。
世界はみな金額ベースである。
では金額ベースにすると日本の食料自給率はどうなるのか。
だいたい50%台後半で、イギリスよりも高くなる。
もっと言えば、日本の農業生産高は世界第5位。日本は農業大国なのである。

いま専業農家は、いかに輸出をするか必死になっている。
彼らはTPPにも賛成である。
ところが、160万人の週末農家がTPPに反対する。
だから、農水省は、農業は先細りだというイメージを広めて、TPPに反対する。
さらに、国からお金をふんだくろうとする。

このことは、農水官僚の数をみても明らかである。
かつて日本の農業従事者は1000万人いたことがある。
いまは約200万人で、5分の1になっている。
一方、農水官僚はこの間、2~3割しか減っていない。
つまり、危機感を煽って補助金を確保しているのは、農水省と農協の
ためなのである。